文学アクセサリー『空のうたたね』

29 理解の練習

「理解する」とは、区別するだけにすぎません。

 
物事を区別する力が備わっている人が、理解力があり、要領がよいとなります。

では、どのように力をつけていくのか。

たとえば、「寂しい」と「悲しい」で、考えていきましょう。

 
ふたつの言葉は、とても近い言葉です。理解力がある人は、何となくわかります。

 
ただ、普段使っている言葉でも、いざ考えてみると難しいです。また、答えは知っているはずなのです。

解き方は、例文を作ってみることです。

 
●家に帰ると、だれもいなくて「寂しい」
●友達に嫌われて「悲しい」

 
すると、両方とも「失」の状態です。
 
そして、何が違うのか考えてみることです。

 
寂しいとは失っている状態です。そして、悲しいとは、失い、そして心が傷ついているという点で、異なっています。
 
理解力を上げるためには、まず例文を作る練習が必要です。


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