空のうたたね ～メーテルリンク『青い鳥』～
制作：Paody
絵：Paody
文章：Paody
Silver925/brass/牛革
原作：メーテルリンク『青い鳥』
のどかな空。
何もすることがなく、野原の上に寝そべっている。
雲ひとつない空。
あくびをしながら、見つめている。
すこしくらい、風がふけばいいのに。
突然、真っ黒な雨雲が流れてくる。
そんなことがあれば、面白いのに・・・
まるで、空がうたたねをしているようだ。
人は、何もないと、つまらなくて何かを求める。
何かを求めると、忙しくて、何もないことを望む。
そんな追いかけっこの繰り返し。
ずっとのどかなんて望まない。
ずっとせわしないことも望まない。
ちょうど、空がうたたねしているくらいがちょうどいい。
ふと、立ち上がろうとして、指先を見れば、
四つ葉のクローバー
自然と笑いがこみ上げてくる。
幸せは、ここにあったんだ。
メーテルリンク『青い鳥』（堀口大學訳）
空のうたたね。文学アクセサリーのタイトルとして始めたもの。僕は思う。空に雲も風もない日、何もない日は退屈になる。そんな退屈は嫌なものだと。何かあってほしいと願うのだ。けれど、何かをあったら、それはそれで面倒くさいものだ。人はわがままな存在なんだと思う。幸せは、手の中にあるのに、さまよい歩く。空のうたたねとは、「空野歌種」と掛詞。上に空があり、大地に野原が広がっている。僕らの幸せの種とは、のんきな歌にある。鼻歌でも歌おうか。
展示歴 なし
ラベル
ラベルとは・・・ 空のうたたねは、色々な原作をもとに、作品作りをしています。そこで、作品のジャンルによって、色分けをした印です。