かささぎ ~大伴家持より~


原作:大伴家持 (718年頃~785年)
かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける
制作:Paody
絵:Paody
文章:Paody
素材 : Silver950/Brass

夏
天の川に かささぎ という鳥が橋をかけると言う。
その橋を渡り、彦星と織姫は、一年に一度の出会いをする。
なら・・・
夜
あなたに会いたいから、縁起の良い かささぎ を探そう。
空を見上げれば、気がつかないうちに、また曇っている。
ちぇ。
冬
それにしても、吸い込まれるほど暗い。
昨日の晩で、すっかり雪が積もっている。
すると一瞬。雲の割れ目から、月が見えた。
あっ・・・
月
月光に照らされて、薄く雪の積もった道が、
一直線に、銀色に輝いた―――
一瞬のきらめきが、まるで、一夜の夏に架かる橋のよう。
なんだ、かささぎ。
お前はここにいたのか・・・
そして、再び雲が、月を隠し、
観えた かささぎ も、飛び立ってしまった。
心は、吐く息のように、
とりとめのない方向へ散らばる。
夜は、一層、静かに落ちていった・・・
ラベル
ラベルとは・・・ 空のうたたねは、色々な原作をもとに、作品作りをしています。そこで、作品のジャンルによって、色分けをした印です。