アンモナイトブックバンド ~フーコー『知の考古学』より~


制作:Paody
絵:Paody
文章:Paody
Brass
原作:フーコー『知の考古学』

3億5000年前
ずっと昔に命は尽きたアンモナイト。
魂は抜け、カラダは少しずつ石となる。
だれにも気がつかれず、静かに眠っていた。
僕らが、その化石を手にした時
その痕跡から受信する。
3億5000年前のメッセージ
「生きていた」
僕ら人間は、痕跡を蘇らせる魔法を知っている。
それを「イメージ」という。
死んでしまった人の
手紙や本などの筆跡は、カラダを失っても、残った化石。
僕ら人間は、痕跡を読み、その人の温度を感じることができる。
そして、僕らの時代の痕跡も、次の時代へと送信する。
時空を超えたコミュニケーション。
カラダは、失ってしまっているけど、
また、どこかで会おう。
それまで、ブックバンドで綴じておいて・・・
フーコー『知の考古学』
歴史を振り返った時、僕らの道徳や価値観で、その時代を評価してしまう。それは仕方がないところもあるだろう。けれど、その時代にも、僕らとは異なる道徳や価値観が存在している。それを膨大なアルシーブ(収蔵体)から読み取り、その時代の共通のエピステーメー(知の枠組み)から歴史を考える。
僕は思うのだ。読み取りという作業は、言外に広がる世界を感じることにある。ただ、それも何度も読んでもつかめるものではないと思っている。
文学アクセサリーを作っていると、古典をより深く考えることができる。たとえば、『枕草子』を題材に作っていると、清少納言のエゴなどを感じるといった体験のこと。そう考えると、文学アクセサリーを作ること自体、知の考古学をしているように思えてくる。
展示歴 なし
ラベル
ラベルとは・・・ 空のうたたねは、色々な原作をもとに、作品作りをしています。そこで、作品のジャンルによって、色分けをした印です。