カゴの中の鳥 ~イプセン『人形の家』より~


原作:イプセン『人形の家』
制作:Paody
絵:Paody
文章:Paody
Silver950/Brass

「愛している」
愛は、言葉ではなかった。
「かわいい小鳥ちゃん」
そんな言葉で、この家(カゴ)につながれていた。
あなたのためなら、自らの羽をちぎり、あなたを温めることができた。
あたなのためなら、喉が切れても歌い、あなたを喜ばすことができた。
愛し合っている
そう・・・思っていた。
あなたは私を小鳥と呼んだ。
けど・・・私はニワトリ。
私を大切にしたのは、自分のお腹を満たすため・・・
「愛している」
私ではなく、地位や名誉という愛人をつなぐための言葉。
「かわいい小鳥ちゃん」
私ではなく、世間体という肉体から抱かれるための言葉。
そんな言葉で、私は、この家(カゴ)につながれていた。
私は愚かでした。
そんな言葉のために生きていたことを・・・
私は愚かでした。
背中の翼で飛べることを忘れていました。
さようなら。
自らの翼で空へ飛び立ちます。
ラベル
ラベルとは・・・ 空のうたたねは、色々な原作をもとに、作品作りをしています。そこで、作品のジャンルによって、色分けをした印です。