花は咲き、そして散りゆく ~『平家物語』より~


制作:Paody
絵:Paody
文章:Paody
Silver925,copper,GP,七宝
原作:『平家物語』

そこには、花が咲いていた。
クラッカーで驚かすように、
派手に花が咲き、あとは重力に任せて枯れ落ちる。
落下した花びらは、大地が跡形もなく溶かしてゆく。
首を折り曲げた茎も、大地は貪欲に消化してゆく。
胃袋の中で咲く花。
そんなことも知らずに、
再び芽吹き、諦めもせず期待する。
葉をいっぱいに広げて、太陽の光をねだり、
最期に、未来のために、実をつける。
花の欲望も希望も、そして絶望も
最後には、肉体とともに消えてゆく。
何もかも、痕跡も残らず消えてゆく。
何もかも、全て残らず消えてゆく。
大地は黒板のように
書いては消して、消しては書いての繰り返し。
そこには、無常が咲いていた。
絶望なんて、意味がない。
つまらない期待なんて、意味がない。
それでも、花は咲くのだから・・・
ラベル
ラベルとは・・・ 空のうたたねは、色々な原作をもとに、作品作りをしています。そこで、作品のジャンルによって、色分けをした印です。