1 ディスレクシアについて
ディスレクシアとは、文字の読み書きに著しい困難をかかえる学習障害のことです。
僕は、幼い頃から文字を読むことが困難でした。
当時、クラスで江戸川乱歩の『怪人二十面相』が、はやっていました。
僕もそれが読みたくて、図書館で本を借り、チャレンジをしました。
しかし、結果は1ページも読めないで、挿絵だけを眺めて、返却していました。
きっと大きくなったらよくなると思っていました。
けれど、読めるようにはなりませんでした。
大人になって、やはり本は読みたいと思っていました。
それは憧れのようなものです。
大人になった僕は、本を読むための方法を模索し始めました。
まずは、音読することがうまくできなかったので、
図書館で幼児用の絵本を借りて、声に出して練習をしました。
それから、文章を読めるようにするため、いろいろなトレーニングを考え、試してきました。
その中には、小説を写す作業や、暗記や暗唱など、途方もないこともやり、
ようやく1冊読み終えたとき、とても嬉しかったことを覚えています。
そこで、本を読む喜びを伝えたいと思いました。
ただ、本について文章で紹介することは、僕にはできませんでした。
文字の読めない小さな僕に、本の楽しさを教えるならば、文字以外のことで伝えよう。
それが「文学アクセサリー」です。
本来の文章の良さが伝わらないと思われるかもしませんが、それでいいと思っています。
僕は「三国志」が大好きで、多くの人物とエピソードを覚えました。
なぜなら、友達が好きで、よく話してくれたからです。
もし学校の授業で「三国志」の勉強をしていたら、きっと好きになっていないでしょう。
僕は学校の先生よりもその友達の方が、ずっと歴史の楽しさを教わりました。
だから、文学・哲学・歴史で、遊ぼうと思うんです。
でも、小さい頃の僕に、そんな話をしたら、
「本の楽しみよりも、文字が読めるようになるための方法を教えてくれよ。そっちの方が切実なんだ。」と言われるかもしれない。
だから、どうやって文字を読むことが出来るようになったのかを紹介したい。
できたら、文字の読める人が、文字の読めない人に伝えて頂ければ幸いです。
なぜなら、この文章さえ、読むことが困難ですから。
Paody(パオディ)