文学アクセサリー『空のうたたね』

15 「見る」ということ

音読の直接的な練習として、絵本やテレビなどを私は利用していました。

 
ただ、視覚の問題がありました。

おそらく「見る」ということが、臨機応変にできなかったと思います。

車を運転している時、ハンドルばかりを見ていたら、事故を起こします。

 
車の運転中の「見る」とは、視野を広げて全体を「見る」というものです。

では、テレビを「見る」時はどうでしょうか。
スポーツをする時の「見る」はどうでしょうか。

教わらなくても、多くの人は、この「見る」を使い分けているのです。

私は、文字を読むときに、一点を直視していました。

これは、音読が出来る人の「見る」とは異なります。

 
理由は、文字を音に変換させるのに時間がかかって、その文字の一点で固まってしまうからですが、変換の技術に加えて、この「見る」を矯正しないと、なかなか音読はできるようになりません。


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