文学アクセサリー『空のうたたね』

5 逃げる心と弱い心

文字が上手く読めないから、努力をする前に挫折する。
 
そんな経験は、僕も山ほどありました。
 
けれど、文字が上手く読めないという障害によって、妨げられているからだけだったろうか?

僕は、それだけのせいにできませんでした。
 
他の要因は、

逃げている心。つまり弱い心。


です。
 
全面的に障害のせいであると認められれば、本人も苦しまないはずです。

しかし、その苦しさは、努力していないという後ろめたさと、弱い心を自覚しているからです。

 
そして、そこから導き出される学校の成績で、自分の愚かさが証明されます。

なぜ逃げるのか。
なぜ心が弱いのか。

音読や文字が読めるようになる前に、この心をやっつけないとなりませんでした。

音読の練習は、バカバカしいような練習です。
ただ、信じ、逃げなければ、必ず良くなります。

だから、まずは改善の方法よりも前に、心の問題が僕にとって重要な課題でした。


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